増刊号 免疫反応と臨床検査2010
I 総論―免疫反応の基礎
C POCT(point of care testing)
POCT(point of care testing)
〆谷 直人
1
1国際医療福祉大学熱海病院検査部
pp.773-777
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102891
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はじめに
本来,臨床検査は診断,治療に役立つ有益な検査情報を正確・精密,かつ迅速に臨床医に提供することが使命である.しかしながら,臨床検査の基本である「いつでも,どこでも,速く」は現在に至り,ようやく実現に向けて真剣に取り組まれるようになった.臨床検査機器の小型軽量化は可搬性につながり,中央検査室や外注検査センターでの大型分析装置を用いた臨床検査に加え,病棟や居宅で測る検査が並立する時代をもたらした.また,臨床医の要求に応えるべき迅速診断キットも次々に開発され,普及しつつある.
リアルタイム検査による検査データは,早期治療の方向づけをするうえで,臨床医にとっては症状や現病歴,身体的所見とともに重要な情報である.今日では臨床現場即時検査(point of care testing,POCT)により医療現場で必要に応じてリアルタイムに検査データが得られるようになった.
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