学会レポ―ト
第64回日本神経学会学術大会
桑原 聡
1
1千葉大学大学院医学研究院脳神経内科学 教授
pp.40-41
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.40.03_0040-0041
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第64回日本神経学会学術大会は、2023年5月31日(水)から6月3日(土)まで、幕張メッセ国際会議場にて千葉大学脳神経内科学教室主催で開催された。日本神経学会は、わが国の脳神経内科医と神経学研究者を会員とする臨床系医学会であり、会員数は約9,700名である(2023年3月集計)。脳神経内科学(旧称:神経内科)の診療は大きく変貌しつつある。神経疾患の研究、特に新規治療開発は2010年頃から著しく発展し、神経変性疾患の疾患修飾療法(disease modifying therapy:DMT)(アルツハイマー病のアミロイド抗体治療、脊髄性筋萎縮症・筋ジストロフィー・家族性筋萎縮性側索硬化症に対する核酸医薬・遺伝子治療)、脳卒中の血栓溶解・血管内治療、神経免疫疾患に対する分子標的治療(多発性硬化症の生物学的製剤、重症筋無力症などの抗体介在性疾患に対する抗補体・B細胞抑制・抗サイトカイン抗体)など複数の新規治療が毎年のように薬機法承認~臨床応用されており、激動の時代といえる。このような時期に日本神経学会学術大会を主催できたことは名誉であるとともに、非常に幸運であったともいえる。
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