特集 ロボット手術の新たな展開
人工知能を用いた手術ナビゲーションの開発
中沼 寛明
1
,
藤永 淳郎
1
,
多田 和裕
1
,
遠藤 裕一
2
,
岩下 幸雄
2
,
衛藤 剛
3
,
猪股 雅史
4
,
徳安 達士
5
1大分大学医学部消化器・小児外科学講座
2大分大学医学部消化器・小児外科学講座 講師
3大分大学医学部消化器・小児外科学講座 准教授
4大分大学医学部消化器・小児外科学講座教授
5福岡工業大学情報工学部情報システム工学科 教授
キーワード:
解剖学的ランドマーク
,
暗黙知
,
ディープラーニング
,
AI支援下手術
,
Smart Endscopic Surgery
Keyword:
解剖学的ランドマーク
,
暗黙知
,
ディープラーニング
,
AI支援下手術
,
Smart Endscopic Surgery
pp.31-34
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.04_0031-0034
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外科医として術場に立つとき,誰しもが初執刀を経験し,第一助手である先輩の指導を受けながら成長を重ねる。受け継いだ経験・技術をまた後輩へ伝え,肉体的・精神的限界を迎えたところでメスを置く。外科医療の進歩は,かつての外科医の汗と涙の結晶ともいえる。もし,すべての外科医がそれぞれ半世紀かけて得た経験をすべて蓄積し,発揮することができたらどうだろうか。1950年代に研究が開始された人工知能(artificial intelligence:AI)1)は,計算機の進歩により新たな時代を迎え,ディープラーニング(深層学習)による画像認識技術が医療現場で利活用されるようになってきた2)。外科医の経験を蓄積したAIが,術者の判断の支援を行うことで,いつでもどこでも安全な外科医療を提供できる時代が到来しようとしている。われわれの研究チーム(大分大学,福岡工業大学,オリンパス株式会社)は世界に先駆けて,AIによる解剖学的ランドマークの術中教示システムを構築し,臨床の現場で検証実験を行った。本稿では,わが国において最も普及している腹腔鏡手術術式である腹腔鏡下胆嚢摘出術(laparoscopic cholecystectomy:LC)におけるAIによるランドマークの術中教示システムを概説する。「KEY WORDS」解剖学的ランドマーク,暗黙知,ディープラーニング,AI支援下手術,Smart Endscopic Surgery
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