連載 Medical Scope
有害事象からみるDPP-4阻害薬の使用
池口 絵理
1
1京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学
pp.77-80
発行日 2019年4月20日
Published Date 2019/4/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.37.04_0077-0080
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グルコース濃度依存的なインスリン分泌促進・血糖降下作用をもつDPP-4阻害薬は,単独使用では低血糖リスクがなく,体重増加をきたしにくいなどの特徴があり,比較的安全で効果的な経口血糖降下薬として,わが国での糖尿病治療に広く用いられている。その一方で,膵外作用による有害事象の報告も集積されつつある。有害事象の例として,水疱性類天疱瘡,腸閉塞,間質性肺炎,関節リウマチ,RS3PE症候群,急性膵炎などが挙げられ,添付文書でも注意喚起が行われている。DPP-4阻害薬内服中の有害事象についての知識を備え,リスクファクターを理解したうえで,有害事象の早期発見・対処に努め,DPP-4阻害薬を安全に使用する必要がある。
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