特集 日常診療における感染防止対策
地域包括感染防止対策
村上 啓雄
1
1岐阜大学医学部附属病院生体支援センター長(教授)
キーワード:
相談窓口とQ&A集発行
,
訪問実地指導
,
アウトブレイク改善支援
,
感染制御の質評価データサーベイランス
,
岐阜県リアルタイム感染症サーベイランス
Keyword:
相談窓口とQ&A集発行
,
訪問実地指導
,
アウトブレイク改善支援
,
感染制御の質評価データサーベイランス
,
岐阜県リアルタイム感染症サーベイランス
pp.23-28
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.09_0023-0028
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1人ひとりの住民が安心できる感染対策を考える際に,地域全体で感染制御力を高めることが必要であると以前から考えていた。病原微生物は施設規模や医療内容の役割が違っても,医療施設ごとに感染性が異なるわけではなく,各施設がそれぞれ異なるレベルの感染対策をしていたのでは,患者や家族は混乱してしまう。一方,現場では,感染制御の知識・技術が不十分な施設も存在し,病原微生物という人の眼にみえないものに対する恐怖感が職員自身にあって,過剰な対策や診療拒否に至ったり,施設間の相互理解や情報共有も十分ではなかったりすることによって混乱が生じている実態も明らかになってきた。実際に大学病院から連携施設に患者を転送する際に,連携先の医師から「大学病院での感染対策と一般病院での感染対策は質が異なるため,その点を患者や家族によく説明してから送ってほしい。」という連絡を受け,大きな疑問を感じていた。したがってわれわれは,岐阜県内の感染制御力の規格統一とレベルアップを目指すことこそ,医育機関である大学病院の使命であると考え,十数年前から地域連携による感染制御力の向上に取り組んできた。本稿では,その取り組みについて紹介するが,地域の事情はそれぞれ異なる。岐阜県での経験やノウハウがそのまま他の地域に応用できるかは明らかではないが,少しでも参考になれば幸いである。「KEY WORDS」相談窓口とQ&A集発行,訪問実地指導,アウトブレイク改善支援,感染制御の質評価データサーベイランス,岐阜県リアルタイム感染症サーベイランス
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