特集 胃癌:低侵襲治療と集学的治療の個別化へ向けて
胃GISTの診断と治療
菊池 寛利
1
1浜松医科大学医学部外科学第二講座 助教
pp.51-57
発行日 2017年5月20日
Published Date 2017/5/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.05_0051-0057
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消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor;GIST)は食道から直腸までの消化管に発生する間葉系腫瘍の1つであり,その多くは胃に発生する。GISTの発生は消化管のペースメーカー細胞であるカハールの介在細胞に由来し,c-kit やPDGFRA 遺伝子に生じる機能獲得性突然変異が原因とされる1)-4)。原発GISTに対する治療の第1選択は手術であるが,根治切除後でも転移再発をきたすことがあり,GISTは悪性腫瘍として扱われる。原発巣の切除後に高リスクGISTと診断された場合,イマチニブ投与による術後補助療法を行うことが標準治療となり,リスク分類による再発リスクの評価が重要となった。再発GISTに対する治療の第1選択はチロシンキナーゼ阻害薬による薬物療法であり,まずはイマチニブの投与から開始する。イマチニブ耐性GISTに対してはスニチニブの投与,さらにスニチニブにも耐性となったGISTにはレゴラフェニブの投与が第1選択となる。「key words」消化管間質腫瘍(GIST),リスク分類,分子標的治療,集学的治療
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