Japanese
English
今月の主題 知っておきたい直腸肛門部病変
症例アトラス
腫瘍性疾患
GIST
Gastrointestinal Stromal Tumor
板場 壮一
1
,
西嶋 健一
1
,
安部 周壱
1
,
田中 俊行
1
,
槇原 康亮
2
,
伊原 栄吉
3
Soichi Itaba
1
1九州労災病院消化器内科
2九州労災病院病理診断科
3九州大学大学院病態制御内科学
キーワード:
直腸
,
GIST
,
粘膜下腫瘍
,
間葉系腫瘍
Keyword:
直腸
,
GIST
,
粘膜下腫瘍
,
間葉系腫瘍
pp.1016-1017
発行日 2018年6月25日
Published Date 2018/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201422
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
疾患の概念
消化管に発生する,主に紡錘形細胞から成る間葉系腫瘍GIMT(gastrointestinal mesenchymal tumor)は,平滑筋性腫瘍,神経性腫瘍,およびGIST(gastrointestinal stromal tumor)にほぼ分類される.GISTは消化管のペースメーカー細胞であるCajal介在細胞(interstitial cells of Cajal;ICC)より発生すると考えられている1).GISTの確定診断には,免疫染色を含めた病理組織学的評価が必要である.免疫染色では,c-kitのGISTでの陽性率は80〜95%,CD34は食道,大腸GISTでの陽性率が95%と報告されている.最近DOG1(discovered on GIST)が免疫染色においてGIST診断に有用であり,感度,特異度がc-kitを上回っているとの報告もある2).
消化管GISTの発生部位は,胃60〜70%,小腸25〜35%,結腸ならびに直腸(ほとんどは直腸)は5%程度と海外から報告されており3),直腸GISTは消化管GISTの中でもまれである.最近の本邦からの報告でも,直腸GISTの全消化管GISTに対する割合は3.6%であり,海外と同様の発生頻度であった4).
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.