特集 高血圧を再考する:注目点とこれからの診療
高血圧を再考する―特集にあたって
長谷部 直幸
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1旭川医科大学 内科学講座 循環・呼吸・神経病態内科学分野教授
pp.7-7
発行日 2016年8月20日
Published Date 2016/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.08_0007-0007
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わが国において,患者数約4,300万人の圧倒的多数を占める高血圧の診療は,まさに新たな局面を迎えている。行政の対応は,医療費抑制の観点から,否応なしに高血圧診療の変革を迫っている。新たな降圧薬の登場が停滞するなかで,ジェネリック医薬品の積極的な導入が図られ,使用薬剤数削減の流れは合剤からポリピル開発への動きを肯定している。臨床の現場では,水俣条約の批准に基づく2020年の水銀血圧計の使用停止が近々の問題として浮上している。水銀血圧計の廃棄に関わる手続きと同時に,代替血圧測定機器の選定にいまだ混乱がある。また,昨年発表されたSPRINT(Systolic Blood Pressure Intervention Trial)の結果をめぐって,120mmHg未満の厳格降圧に対する議論と検証が進められている。
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