特集 こどもの心電図と心エコー図―ファーストタッチから専門診療まで―
Ⅲ.先天性心疾患の心電図と心エコー図
18 心房中隔欠損症
藤井 隆成
1
1昭和医科大学病院小児循環器/成人先天性心疾患センター
pp.128-133
発行日 2025年10月20日
Published Date 2025/10/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000001884
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Summary
■心房中隔欠損症は先天性心疾患の約1割を占め,心房間の左右短絡により,右心系(右房,右室,肺動脈)に容量負荷,拡大が生じる心疾患である.
■二次孔欠損型,一次孔欠損型,静脈洞型(上位欠損型,下位欠損型),冠静脈洞欠損型に分類される(図1).
■左右短絡量は欠損孔の大きさに依存し,発育とともに肺血管抵抗が低下することで短絡量は増加する.
■幼少期は多くの症例が無症候性であるが,心電図では容量負荷の程度を推測することが可能であるため,特に学校心臓検診におけるスクリーニングや,血行動態評価の最初のステップとして重要である.
■心エコー図では,診断の確定のための欠損孔描出と治療適応の判断のための右心系拡大と肺動脈圧の評価が重要であり,治療法選択(カテーテル治療の可否)の判断のためのより詳細な欠損孔の解剖学的な評価,併存症の評価が必要である.

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