特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅰ プライマリケアで重要な皮膚症状とその対応
尋常性痤瘡,酒皶,口囲皮膚炎・開口部皮膚炎
山﨑 研志
1
1Aloop Clinic & Lab
pp.64-71
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000953
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診療のポイント
■尋常性痤瘡と酒皶,口囲皮膚炎・開口部皮膚炎は,顔面に丘疹や膿疱を形成する疾患である.皮疹性状が類似しているため,随伴する皮膚症状や皮疹分布を観察して診断や鑑別疾患を考える.
■尋常性痤瘡と酒皶,口囲皮膚炎は,ステロイド外用薬で悪化する.これらの疾患は顔面の皮疹に潜在していることがあり,顔面への安易なステロイド外用薬の使用で医原性に顕在化することに注意する.
■尋常性痤瘡は思春期に増加する面皰から発症するので,面皰に効果のある外用薬の治療が主たる治療となる.炎症の程度や皮疹の性状によって抗炎症作用のある抗菌薬の併用を考慮する.
■酒皶は,主たる症候・病型に基づいて治療を選択する.アトピー素因をふくめたアレルギーを併存する患者が多く,花粉皮膚炎などの併存症が顔面症候に与える影響を俯瞰しつつ酒皶病型・症候にあわせた治療方法を選択する.
■口囲皮膚炎・開口部皮膚炎では口囲と眼囲に紅色丘疹が集簇し,幼小児から若年成人に好発する.適応外であるが,タクロリムス外用薬や抗炎症作用のある抗菌薬が有効な症例が多い.
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