特集 子どもの皮膚診療を極めるために
Ⅰ プライマリケアで重要な皮膚症状とその対応
アトピー性皮膚炎 2.局所療法,全身療法の進歩
大矢 幸弘
1
1国立成育医療研究センターアレルギーセンター
pp.23-30
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.34433/pp.0000000947
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
診療のポイント
■乳児湿疹はアトピー性皮膚炎を含む診断名であり別の疾患ではない.
■炎症のある皮膚が存在するのが長引くほど経皮感作のリスクが高まり食物アレルギーの罹患が増えるので,早期診断・早期治療を心がける.
■小児患者のほとんどはステロイド外用薬の適正な治療で寛解導入が可能であり,既存薬でコントロールがつかない症例は,鑑別診断と処方の見直し,アドヒアランスのチェックが必要である.
■軽症例ではタクロリムス軟膏,デルゴシチニブ軟膏,ジファミラスト軟膏による寛解導入と寛解維持が可能な場合がある.
■中等症以上では,ステロイド外用薬による寛解導入が必要であり,ランクの高いステロイド外用薬の連用が長期に及ぶおそれのある患者では,生物学的製剤やJAK阻害内服薬などの全身治療薬の併用を考慮する.
■長期的な視点での安全性を考慮し,全身治療薬を安易に使うべきではなく,ステロイド外用薬による寛解導入やプロアクティブ療法による寛解維持に習熟した専門医へのコンサルトのタイミングを外さないようにしたい.
Copyright © 2024, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.