連載 漢方よもやま話・第10回
十全大補湯
能㔟 充彦
1
1名城大学薬学部生薬学研究室
pp.1180-1183
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000902
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1.はじめに
今回ご紹介する処方は,十全大補湯です.前回ご紹介した補中益気湯とともに,臨床現場で「補剤」として汎用される処方です.添付文書によれば,体力虚弱なものの次の諸症として,病後の体力低下,疲労倦怠,食欲不振,寝汗,手足の冷え,貧血に用いる処方とされています.出典は,宋代の「太平恵民和剤局方」であり,この書籍は中国の宋の皇帝,徽宗の命で編纂された薬剤の処方集として知られるもので,現代の「薬局方」の語源であることが知られています.
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