特集 血栓に強くなる―産婦人科診療に活かす最新知識―
Ⅱ.診断・治療
8.胎盤病理と血栓の意義
佐藤 勇一郎
1
1宮崎大学医学部附属病院病理診断科
キーワード:
胎盤病理
,
血栓
Keyword:
胎盤病理
,
血栓
pp.1111-1115
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000410
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要旨
胎盤は母体と胎児をつなぐ重要な臓器である.母体や児に異常が生じた場合に,胎盤を肉眼的,顕微鏡学的に検索することは妊娠中の病態や児の予後を推定するうえで重要であり,これを胎盤病理とよぶ.胎盤病理で重要な疾患に,子宮内感染症と胎盤循環障害がある.循環障害では,母体血管(らせん動脈)に起こる血栓症,胎児血管に生じる胎児血管血栓も観察され,流産・死産,子宮内胎児発育遅延と関連する.本稿では胎盤病理における血栓について概説する.
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