特集 産婦人科漢方ステップアップ―三大処方の次なる一手とは?―
Ⅱ.次なる一手の具体的処方―C.腫瘍
14.終末期がん患者の胸水貯留と五苓散(17)
鮫島 梓
1
,
米澤 理可
2
,
島 友子
3
1女性クリニックWe富山
2富山厚生連高岡病院産婦人科
3富山大学大学院医学薬学研究部(医学)産科婦人科学講座
キーワード:
五苓散
,
胸水
,
緩和ケア
Keyword:
五苓散
,
胸水
,
緩和ケア
pp.89-92
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000018
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要旨
終末期がん患者において,胸水の貯留はQOLを著しく低下させる合併症の1つである.がん性胸水に対する治療として,従来は胸腔穿刺や胸膜癒着術,抗悪性腫瘍薬の胸腔内投与などが行われてきたが,頻回に穿刺をくり返さなければならなくなることも多く,また発熱などの副作用が問題となることもある.五苓散はアクアポリン水チャネルに作用し,電解質バランスを崩すことなく体内の水分を調整する,水滞の代表的な方剤であり,水の偏在を改善する.そのため,胸水の改善にも有用であり,侵襲的治療を回避できる可能性があると思われる.
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