特集 がんに強くなる! 素朴な疑問から最新のエビデンスまでドクター勝俣ががん外来診療まるっと答えます
2章 がんの検診
7 胃がん検診について教えてください
渡邊 清高
1
1帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科
pp.73-77
発行日 2026年3月25日
Published Date 2026/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001726
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1 胃内視鏡検査・胃X線検査はいずれも死亡率減少の観察研究によるエビデンスがあり,胃がん検診として推奨されている(証拠のレベル2+/推奨グレードB).内視鏡検査は対象年齢50歳以上が望ましく,2~3年間隔とすることが可能である.
2 ペプシノゲン検査(単独法),ヘリコバクター・ピロリ抗体検査(単独法),および併用法(ABC法)についてはリスク層別化が可能なものの,死亡率減少効果を検討した研究はなく(推奨Ⅰ),用いるなら内視鏡などへの連携が前提となる.
3 ヘリコバクター・ピロリ除菌は胃がんの発症抑制に有効だが,耐性・副作用に配慮し,除菌後も年齢・萎縮に応じた内視鏡フォローを続ける必要がある.
4 検診方法の選択に関する説明においては,利益と不利益のバランス,体制(精度管理・偶発症対応)を含めることが求められる.検診と診療,一次・二次予防を地域の関係者による連携で統合することが求められる.
(補足:『有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン 2014年度版』においては,推奨グレードは,がん検診の利益と不利益のバランスを考慮して決定されている.がん検診の主たる利益は死亡率減少効果であり,研究の信頼性を証拠のレベルで示している.一方,不利益とは,偽陰性率,偽陽性率,過剰診断,偶発症,放射線被ばく,感染,受診者の心理的・身体的負担などがあげられる.例えば,偶発症の頻度については,リスクマネジメントのための必要な設備・予算・時間など,制度や体制整備により変化しうることから,医療や社会情勢の変化に伴って継続的な再評価がなされる.)

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