特集 日常臨床で必ず出会うリウマチ膠原病疾患―自信がもてる実践ガイド
総論 症候からのアプローチと考えかた
リウマチ膠原病の検査の考え方―抗核抗体の上手な使い方―
永幡 研
1
1札幌医科大学医学部免疫・リウマチ内科学
キーワード:
抗核抗体
,
IIF
,
ELISA
,
疾患特異抗体
,
膠原病検査戦略
Keyword:
抗核抗体
,
IIF
,
ELISA
,
疾患特異抗体
,
膠原病検査戦略
pp.1273-1280
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001561
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・抗核抗体検査の基本と解釈:抗核抗体(ANA)は膠原病の感度の高いスクリーニング検査だが特異度は低い.結果は測定法(IIF,ELISA/FEIA)の特徴を理解し,抗体価(目安160倍以上)と染色パターン(ICAP分類)をあわせて解釈する必要があり,健常者や疾患発症前の陽性にも留意する.
・段階的な検査戦略:まず基本検査(ANA含む)を行い,臨床症状やANAの結果(パターン・力価)に基づいて必要な特異抗体を追加選択する.疾患ごとの推奨戦略と保険診療の制約を考慮する.
・特異抗体の臨床的価値:個々の特異自己抗体は,診断補助のみならず,特定の臓器障害リスク(例:ループス腎炎と抗dsDNA抗体,強皮症性腎クリーゼと抗RNAP3抗体)や予後予測,疾患活動性のモニタリングにも有用な場合がある.

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