特集 検体検査のポイントとピットフォール 診察室にこの1冊
A.スクリーニングに用いる検査
27.CRP,赤沈,SAA[免疫学的検査]
山田 俊幸
1
1自治医科大学臨床検査医学
pp.120-122
発行日 2025年3月24日
Published Date 2025/3/24
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000001234
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Summary
1.C反応性蛋白(CRP)と血清アミロイドA(SAA)は血漿蛋白のなかでは,最も鋭敏な急性期蛋白であり,炎症に特異性が高いためこれらの濃度上昇は確実に炎症性疾患の存在を示唆する.
2.CRPやSAAが血中で上昇するにはタイムラグがあり,上昇の程度は炎症の規模や障害臓器に影響を受ける.
3.急性期蛋白としてCRPが普及しており,SAAはCRPの上昇が軽度とされるウイルス感染症や,自己免疫疾患,免疫抑制状態で,また病因となるAAアミロイドーシスでの測定が勧められる.
4.赤血球沈降速度(赤沈)は,炎症以外に多くの因子の影響を受けるため,多角的な解釈が必要となる.炎症の活動性評価に限定すればCRPの測定に追加する意義は乏しい.

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