Japanese
English
今月の主題 知っておきたい直腸肛門部病変
症例アトラス
非腫瘍性疾患
宿便性潰瘍
Stercoral Ulcer
長坂 光夫
1
,
大宮 直木
1
Mitsuo Nagasaka
1
1藤田保健衛生大学消化管内科
キーワード:
宿便性潰瘍
,
急性出血性直腸潰瘍
,
直腸粘膜脱症候群
Keyword:
宿便性潰瘍
,
急性出血性直腸潰瘍
,
直腸粘膜脱症候群
pp.1032-1033
発行日 2018年6月25日
Published Date 2018/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201428
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疾患の概念,形態的特徴
宿便性潰瘍は大腸内に停滞した糞便塊の圧迫による血流障害により生じる褥瘡潰瘍で,1894年にBerry1)によって報告された.直腸〜S状結腸に好発し,潰瘍の形態は単発あるいは多発の不整形地図状潰瘍で,周辺粘膜との境界は比較的明瞭で潰瘍周囲の隆起や炎症を認めないのが特徴である(Fig.1a)2).近傍に糞便塊が存在することが多い.発症の背景には心不全などの循環不全,慢性腎不全,脳卒中,大腿骨頸部骨折など,高齢の長期臥床者に好発する.便秘の症状が先行し,無痛性の大量出血を来す.
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