連載 注目の新薬
パルモディア® XR錠(ペマフィブラート)
山下 静也
1
1りんくう総合医療センター
pp.781-787
発行日 2024年6月1日
Published Date 2024/6/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000839
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選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)とは?
1 開発の経緯
スタチン投与による冠動脈疾患発症リスクの抑制は多くの臨床研究によって証明されている.一方,LDL-コレステロール(LDL-C)値低下のために,エゼチミブ,proprotein convertase subtilisin kexin 9(PCSK9)阻害薬などの新しい薬剤が登場したものの,一度,動脈硬化が進行するとLDL-C低下療法だけでは十分とはいえず,いったん生じた動脈硬化巣を退縮させることはほとんど不可能である.そこで,高血圧,糖尿病,メタボリックシンドロームや,さらには高トリグリセライド(TG)血症・食後高脂血症などの脂質代謝異常等の残余リスクへの治療介入も必要となる.脂質異常症の管理はLDL-Cだけでなく,TGやHDL-コレステロール(HDL-C)などの包括的管理が必要であり,日本動脈硬化学会では「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」において,これらの脂質管理目標値を提唱している1,2).
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