特集 心筋炎・心膜炎,感染性心内膜炎を診る,治す
ねらい
森田 啓行
1
1東京大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
pp.1281-1281
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000423
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心筋炎は心筋を主座とする炎症性疾患である.その原因はウイルス・細菌などの微生物感染,薬物・毒物への曝露,免疫系の賦活化など多岐にわたり,症候も軽症例から心不全・不整脈をきたすもの,劇症型重症例まできわめて多様である.全身疾患の一部分症として心筋症をきたすこともある.非特異的な症候,検査所見を呈することが多いため,診断するのが難しい.「まず疑う」ことが重要である.発症早期に心筋生検を行うことができれば,病理組織学的特徴から病型を割り出し,適切な治療計画を立てることができる.日本循環器学会の「2023年改訂版心筋炎の診断・治療に関するガイドライン」において,「慢性活動性心筋炎」が新たに定義されるなど,慢性期の心筋炎に関する疾患概念が改訂されている.
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