特集 原因不明で経過する発熱,不明熱患者のみかた
総論
感染制御の考えかた
龍野 桂太
1
1三井記念病院感染制御部
キーワード:
標準予防策(SP)
,
感染経路別予防策(TP)
,
普遍的予防策(UP)
,
空気予防策(AP)
Keyword:
標準予防策(SP)
,
感染経路別予防策(TP)
,
普遍的予防策(UP)
,
空気予防策(AP)
pp.1025-1029
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000350
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Headline
1 感染症の疑い/確定にかかわらず,医療が提供されるあらゆる環境において,すべての患者に標準予防策(SP)が適応される.
2 SPで防ぎきれない感染症の疑い/確定患者にのみ,その感染経路に合わせた感染経路別予防策(TP)を追加するが,鑑別診断に従って追加/解除されるべきで,過剰なTPや普遍的予防策(UP)は感染のリスクを逆に上げる.
3 不明熱の代表疾患である肺結核は空気予防策(AP)が必要だが,感染性の高低を適切に評価し,低感性でもハイリスク接触や濃厚接触を避け,曝露後も適切な時期に検査・治療をすれば制御可能である.
4 ワクチンで予防可能な疾患も多数あり,少なくとも風疹・麻疹・水痘・ムンプス・B型肝炎は十分なワクチン接種をしておく.
Copyright © 2023, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.