連載 注目の新薬
エディロール®錠(エルデカルシトール)
竹内 靖博
1
1虎の門病院内分泌センター
pp.831-835
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.34433/dt.0000000304
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
栄養素としてのビタミンDと薬剤としての活性型ビタミンD
ビタミンD(VD)は実はビタミンとよばれる他の栄養素とはかなり異なる性質をもつ.そもそも,ビタミンと呼称されるにもかかわらず,紫外線による光化学反応により皮膚で生成される.また,他のビタミンと異なり,栄養素としてのVDそのものは生理作用をもたない.VDは体内で代謝されて活性型となることで初めてその作用を発揮する.その過程は,まず肝臓においてVD分子の25位が水酸化され,次に腎臓において1位が水酸化されることであり,最終的に1,25ジヒドロキシビタミンD[1,25(OH)2D,カルシトリオール]が活性を有する分子としてVD作用を発揮する(図1).1,25(OH)2Dはステロイドホルモン・スーパーファミリーに含まれるホルモンとして,腸管,骨および腎臓などの標的組織に作用する.つまり,栄養素のVDはホルモンである活性型VDの材料とみなすことができる.
Copyright © 2023, SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.