特集 起立性調節障害(OD)を知ろう
企画の言葉
石﨑 優子
1
1関西医科大学総合医療センター小児科
pp.565-565
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/ch.0000000213
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最近,「起立性調節障害」という診断名が周囲や報道から聞かれるようになりました。私の職場にも「起立性調節障害」の子どもがたくさん通院しています。患者さんのなかには「学校に行けなくなったら,学校の先生から『キリツセイ違う? 病院に行ってみたら?』と言われました」とおっしゃる方も少なくありません。教育現場に知られるようになったのは喜ぶべきことと思いますが,「キリツセイ」という略語は,だれが言い出したのでしょう。「起立性調節障害」は,立ち上がると(起立),循環調節がうまくいかず(調節障害),種々の症状をきたす,という症候が名称になっています。心と身体のさまざまな不定愁訴を伴い,経過が長引くために,「一度かかったら一生治らない」「普通の就職はできないので障害者手帳をとるしかない」といった嘆きや,「鼻血が出やすくなったのはキリツセイのせいですか」「乱視はキリツセイの症状ですか」といったビックリするご質問もあります。
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