特集 血管炎の診断と治療:エッセンスと今後の展望
各種血管炎の診断・鑑別診断と治療 免疫複合体性小型血管炎
長谷川 均
1
,
石崎 淳
,
武森 信曉
1愛媛大学 大学院医学系研究科血液・免疫・感染症内科学
キーワード:
IgG
,
クリオグロブリン血症
,
血管炎
,
自己抗体
,
IgA血管炎
,
鑑別診断
,
免疫複合体病
,
予後
,
抗糸球体基底膜抗体症
,
重症度指標
,
腎糸球体基底膜
,
低補体血症
,
病態生理
Keyword:
Anti-Glomerular Basement Membrane Disease
,
Diagnosis, Differential
,
Vasculitis
,
Immune Complex Diseases
,
Immunoglobulin G
,
Prognosis
,
IgA Vasculitis
,
Severity of Illness Index
,
Cryoglobulinemia
,
Autoantibodies
,
Glomerular Basement Membrane
pp.1415-1420
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021369521
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<Headline>1 免疫複合体性小型血管炎は、小血管壁に免疫グロブリン(Ig)や補体成分が沈着する血管炎で、糸球体腎炎が高頻度にみられ、CHCC2012分類では、抗糸球体基底膜抗体病(抗GBM病)、クリオグロブリン血症性血管炎(CV)、IgA血管炎および低補体血症性蕁麻疹様血管炎(抗Clq血管炎)の4疾患が含まれる。2 抗GBM病は、GBMに対する自己抗体を認め、腎生検では糸球体係蹄壁に沿った線状のIgの沈着と壊死性半月体形成性腎炎を認め、病型としては腎では急速進行性腎炎を、肺では肺出血をきたす。3 クリオグロブリンとは、低温で凝集し、37℃以上に加温すると溶解するIgで、これが小血管内で免疫複合体を形成し、血管炎や血栓を生じる病態がCVである。Ig成分に基づきI~IIIの3型に分類される。4 IgA血管炎は、IgA1と免疫複合体を形成することにより、主に小血管が障害され、紫斑、関節症状、消化管障害、腎炎を主徴とする血管炎である。触知可能な隆起性紫斑は必発で、診断に重要である。5 低補体血症性蕁麻疹様血管炎とは、蕁麻疹様皮疹を主症状とし小型血管炎の所見があり、抗Clq抗体と関連して補体の低下がみられるもので、抗Clq血管炎とも呼ばれている。
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