特集 動脈硬化進行予防のための肥満・脂質異常診療戦略
動脈硬化予防のための肥満・脂質異常の治療 PCSK9阻害薬
岡崎 啓明
1
1東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科
キーワード:
LDL Cholesterol
,
高コレステロール血症
,
高リポタンパク質血症II型
,
酵素阻害剤
,
動脈硬化症
,
Proprotein Convertase 9
,
Alirocumab
,
Evolocumab
Keyword:
Arteriosclerosis
,
Proprotein Convertase 9
,
Hyperlipoproteinemia Type II
,
Hypercholesterolemia
,
Cholesterol, LDL
,
Enzyme Inhibitors
,
Alirocumab
,
Evolocumab
pp.1369-1376
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021018153
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<Headline>1 高LDL-C血症は動脈硬化の最大のリスク因子の1つであり、LDL-Cを下げれば下げるほど、動脈硬化は抑制される(the lower、the better)。動脈硬化のリスクが高い患者ほどLDL-Cを下げる必要がある。2 高LDL-C血症治療薬は、どの種類の治療薬でも、基本的に同程度LDL-Cが下がれば同程度動脈硬化が抑制されるため、エビデンスの多い薬、コストの安い薬を優先して使う。3 PCSK9阻害薬は、LDL受容体の分解を促進する蛋白PCSK9に対する抗体医薬(皮下注)である。強力なLDL低下作用(約60%減)を有し、心血管イベント抑制のエビデンスも示されてきているが、薬価は高い。4 内服(スタチン、エゼチミブ、レジン)を組み合わせることにより、多くのケースでLDL-Cが管理目標値に達するが、内服では不十分な場合にはPCSK9阻害薬を用いる。5 具体的には、家族性高コレステロール血症(FH)、心血管イベントのハイリスク病態(おもに冠動脈疾患二次予防)が適応となる。これらの病態におけるスタチン不耐も適応である。
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