特集 症例から考える小児泌尿器疾患:小児病院での私のみかた
乳幼児によくみる泌尿器疾患 乳児の重複腎盂尿管・尿管瘤(2)
松井 太
1
,
末永 信太
1大阪府立病院機構大阪母子医療センター 泌尿器科
キーワード:
超音波診断
,
尿管瘤
,
尿路造影
,
排尿
,
レーザー療法
,
膀胱造影
,
重複腎盂尿管
,
尿管膀胱吻合術
Keyword:
Ureterocele
,
Ultrasonography
,
Cystography
,
Urography
,
Urination
,
Laser Therapy
pp.291-295
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00642.2022100721
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▼尿管瘤は、尿管下端が膀胱内や尿道内で嚢胞状に拡張した先天異常である。女児に多く、約80%は重複尿管に合併する。瘤に起因して膀胱頸部や尿道の筋層が脆弱である場合がある。▼治療の目的は、尿路感染をコントロールし、かつ将来の尿失禁を予防することである。▼手術は、一期目として、乳児期に経尿道的尿管瘤切開術を行う。二期目として、1歳前後に、尿管瘤摘除術、尿管膀胱新吻合術および膀胱三角部・膀胱頸部形成術を行う。手術成績は良好であり、術後尿路感染や尿失禁の発生は少ない。まれに尿失禁が持続することがあるので、長期にわたって排尿状態を観察する。
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