特集 こんなときどうする?他科とのコミュニケーションガイド
(第6章)脳神経内科・脳神経外科 可逆性後部脳症症候群(PRES)・可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)
伊藤 泰広
1
,
小倉 礼
,
邦武 克彦
1トヨタ記念病院 脳神経内科
キーワード:
危険因子
,
MRI
,
鑑別診断
,
頭痛-血管性
,
脳血管造影
,
予後
,
脳血管れん縮
,
後白質脳症症候群
,
頭部CT
Keyword:
Vasospasm, Intracranial
,
Cerebral Angiography
,
Diagnosis, Differential
,
Vascular Headaches
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Prognosis
,
Risk Factors
,
Posterior Leukoencephalopathy Syndrome
pp.260-267
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022140464
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<産婦人科医におさえてほしいポイント>・PRESは、頭痛、視力障害や皮質盲、けいれんなどで発症し、後頭・頭頂葉優位に可逆性の脳浮腫が出現する。一方、RCVSはおもに激しい頭痛で発症し、可逆性の脳血管攣縮所見を呈する。両者とも臨床的・神経放射線学的症候群であり、迅速な対応が必要な神経救命救急疾患である。・この2つの症候群は時に同時に1患者で確認される場合もある。・共に女性に多く、妊娠・分娩・産褥期、貧血治療後など、女性特有のライフイベントやライフステージに伴い発症することがある。・両症候群ともに大部分で転帰は良好であるが、妊娠・出産・産褥期に発症した場合は重症化し、後遺症や死亡に至る場合もあり、注意が必要である。・両者共にreversible(可逆性)という語が含まれているものの、臨床的・画像的に必ずしも「可逆性」というわけでもない。インフォームド・コンセントにも注意が必要である。
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