特集 新型コロナウイルス感染症が産婦人科診療に与えた影響
【II.臨床への影響】婦人科悪性腫瘍の診療への影響
川名 敬
1
1日本大学 医学部産婦人科学系産婦人科学
キーワード:
生殖器腫瘍-女性
,
リスク
,
共存疾患
,
保健医療サービス利用可能性
,
疾病の流行
,
COVID-19
Keyword:
Genital Neoplasms, Female
,
Health Services Accessibility
,
Risk
,
Comorbidity
,
COVID-19
,
Epidemics
pp.257-263
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2022135866
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
SARS-Cov2(新型コロナウイルス)感染症(COVID-19)の世界的なパンデミックは、がん診療全般に大きな影響を与えた。特にロックダウンした都市でのがん診療は、平常状態とは全く異なる治療、管理が実施された。幸い日本ではそこまでの制限はなかったが、それでもがん診療を専門とする病院が一時的に診療制限を行ったり、患者の受診行動が制限されたり、影響がみられた。一方、COVID-19感染自体によるがんの病態への影響は否定的であるが、がん患者ではCOVID-19感染症が重症化する。コロナ禍でがんによる死亡率が上昇することが危惧されるのは、がんの発見と治療の遅れや本来行うべき治療やフォローアップの実施困難さである。本稿では、まだ終息する気配のない新型コロナウイルス感染拡大状況での婦人科悪性腫瘍の診療やがん検診に関して論じてみたい。
Copyright© 2022 SHINDAN TO CHIRYO SHA,Inc. all rights reserved.