特集 QOLを考える
産後とQOL
高木 香津子
1
,
杉山 隆
1愛媛大学 医学部産婦人科
キーワード:
産褥
,
自殺
,
生活の質
,
対象愛着性
,
うつ病-分娩後
,
妊産婦死亡
,
Patient Health Questionnaire
,
自己評価式抑うつ尺度
Keyword:
Depression, Postpartum
,
Patient Health Questionnaire
,
Object Attachment
,
Suicide
,
Quality of Life
,
Maternal Death
,
Postpartum Period
pp.330-336
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2021146836
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妊娠や出産はおめでたいことである一方、妊産婦にとってこの時期は身体的および精神的に負荷がかかり変調をきたしやすい時期である。産後のQOL(quality of life)を考えるうえで、身体的・精神的・社会的・経済的、すべてを含めた生活の質の向上を考えなくてはならない。特にQOLが低下した産後うつ病などのハイリスク症例は自殺企図や虐待へのリスクが高い。しかし、どの産後の女性にも起こり得る可能性があるため、産後2~4週にエジンバラ産後うつ病質問票を中心とした自記式質問票を実施し、その後の丁寧な聞き取りを行い、医療機関を含む多職種で介入できる体制を整え、将来的な自殺や虐待のない社会へつなげていくことが重要である。
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