ハイクオリティを維持する軟性内視鏡の洗浄・消毒
■フォーカス❶十二指腸内視鏡の再生処理:高水準消毒から滅菌への転換について考える
金森 肇
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系感染症科学・臨床検査医学 教授
pp.200-205
発行日 2026年7月15日
Published Date 2026/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000644
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十二指腸内視鏡は,内視鏡的逆行性胆管膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)や胆道・膵管処置に用いられ,胆管炎,総胆管結石,胆道狭窄などの診療に必要不可欠である。一方で,十二指腸内視鏡は再使用する医療器具であり,患者に使用した後は,次の患者に安全に使用できる状態へ戻す必要があり,この一連の工程を再生処理(リプロセス)という。再生処理の基本は,洗浄,消毒または滅菌,乾燥,保管である。読者のなかには,きちんと洗って消毒すれば十分ではないか,と感じられるかもしれない。しかし医療器具を介したアウトブレイクは古くから報告され,近年は複雑な医療器具や多剤耐性菌が関与する事例が目立つ。内視鏡関連感染についても,洗浄・消毒の不備だけでなく,鉗子起上装置や各種チャネルなど複雑な構造そのものがリスクになりうる。本稿では,十二指腸内視鏡において高水準消毒(high-level disinfection:HLD)を確実に行うことだけでなく,滅菌を視野に入れた再生処理について概説する。

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