Special feature コロナ禍で浮き彫りとなった高齢者施設・精神科病院の感染対策
■高齢者施設の感染対策
❹換気対策(エアロゾル感染対策)を含めた経路別予防策
川村 英樹
1,2
1鹿児島大学病院感染制御部 副部長
2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科感染症専門医養成講座 特任准教授
pp.179-184
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000403
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感染経路には,①飛沫感染,②エアロゾル感染,③接触感染があり,放出粒子の量(咳・大きな声・歌うなど),距離,環境条件(密閉・密集・密接の存在)で規定される(図1)。飛沫は粒子が大きく重力により落下し,2m以遠の人への感染性は低い。エアロゾルは粒子が小さく数時間空気中を漂い,空気の流れに乗ればより遠く通常6m以内に広がる。飛沫の水分が蒸発し病原体が付着し空間中を浮遊する飛沫核を吸入することで起こる空気感染では,空間共有している人全員が感染リスクを有するが,一般的な条件では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の空気感染は起こりにくい。
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