Special feature 感染対策成功のための皮膚の清潔・健康管理
■患者の皮膚の障害と清潔・健康管理
❺術野消毒の知見とポイント
-―中央材料部門の課題と解決策
北川 雄一
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1国立研究開発法人国立長寿医療研究センター医療安全推進部感染管理室 室長/手術・集中治療部消化器外科 医長
pp.286-289
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000344
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術野消毒は,手術部位感染症(SSI:surgical site infection)予防策の基本のひとつである。その目的は,侵襲を加える皮膚における定着菌の菌数を減少させて,SSIの発生リスクを低下させようとするものである。しかし,毛嚢や皮脂腺内に定着した菌を完全に除去することはできず,一定時間後には,再度,細菌が増加してくる。それでも現在,一般に使用されている各種ガイドラインにおいて,術野消毒の重要性については言及され,それぞれ推奨が記載されている。本稿では,各ガイドラインにおける術野消毒に関する推奨を紹介するとともに,最近の新しい知見などについて解説する。今回紹介するガイドラインは,いずれも2016年以後に発表されている。発表後,約5年を経ており,近々改訂があるかもしれないが,現時点では最新のガイドラインである。
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