Special feature コロナ渦の感染経路別予防策のニューノーマル
■Introduction
感染経路別予防策の「ニューノーマル」を考える
-―新型コロナが与えたインパクト
藤田 直久
1
1京都府保健環境研究所 所長/京都府立医科大学 特任教授
pp.181-185
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000240
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,2019年12月に中国で発生し瞬く間に世界中に拡がり,本稿を執筆している(2021年6月27日)の時点で,世界保健機関(WHO)によれば,感染者数約1.8億人,死亡者約390万人と報告されている。世界全体では沈静化の傾向が見られるものの,一部の国では変異株により増加に転じている国もある。我が国でも変異株(デルタ株)の増加が認められ,今後の動向が注目されている。良い話題もある。ワクチンである。新規のmRNAやアデノウイルスベクターを利用したワクチンが短期間で開発され,早期に認可された結果,世界中でワクチンが接種されている。フェーズ3のみならず,実際の現場(リアル・ワールド)においても,これらの新たなワクチンは素晴らしい発症予防効果および重症化阻止効果を示している。このCOVID-19の出現時に,当初世界での対処は,目の前にあるものを寄せ集め試行錯誤しながら感染対策や治療法を創り出す「ブリコラージュ」の手法であったが,世界中が新型コロナ研究にシフトした結果,毎日数多くの知見がネット上に公表された。このSARS-CoV-2という極めて巧妙なウイルスに対峙するために,既存の対策では通じないこともわかってきた。本稿では「感染対策のニューノーマル」について筆者自身の考えを述べることとする。
Copyright © 2021, Van Medical co., Ltd. All rights reserved.