特集 ブレイクポイントの臨床応用-3つの基準の上手な使いこなし方
抗真菌薬ブレイクポイントを考える 感受性動向・検査法の現状から臨床応用のポイントまで
阿部 雅広
1
,
宮崎 義継
1国立感染症研究所 真菌部
キーワード:
カンジダ症
,
アスペルギルス症
,
抗真菌剤
,
微生物薬物感受性試験
,
基準値
,
真菌薬剤耐性
Keyword:
Aspergillosis
,
Antifungal Agents
,
Candidiasis
,
Microbial Sensitivity Tests
,
Reference Values
,
Drug Resistance, Fungal
pp.296-303
発行日 2018年12月10日
Published Date 2018/12/10
DOI https://doi.org/10.34426/J03177.2019096196
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真菌感染症は、免疫不全者を中心として大きな問題となっている。近年ではエキノキャンディン系抗真菌薬に低感受性のC.glabrataやアゾール系に耐性のA.fumigatusに加え、多剤耐性を生じうるC.aurisの報告などもあり、細菌感染領域のみならず、真菌感染領域でも薬剤耐性を考慮した治療選択を考える必要が出てきた。しかし、標準法とされる抗真菌薬感受性試験にもブレイクポイントが存在しないという点や、本邦における大規模なサーベイランスが不足しており、海外の疫学データに依存しなければならない点など、真菌の薬剤感受性を考える上では問題点があるのも実状である。今後の抗真菌薬ブレイクポイント設定や国内におけるサーベイランスの充実・感受性動向の調査に関する、データの蓄積およびエビデンスの提供は重要な課題である。
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