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はじめに
パラスポーツにおける「クラス分け(Classification)」は,障害そのものを分類する制度ではなく,障害が競技結果に及ぼす影響を最小限にとどめ,公平で有意義な競技を実現させるための仕組みである 1).従来,クラス分けは診断名や損傷高位等の医学的情報を基軸に運用されてきたが,近年では,参加資格を医学的に確認したうえで,障害が各競技の基本となる課題や動作にどの程度影響するかを評価する「競技特異的かつ機能的」な考え方へと発展している.
クラス分け制度の整備状況には競技間で差があり,共通の指針となる統一原則は長らく不十分であった.これに対し,国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee;IPC)は,全競技の基盤として「IPC Classification Code」を策定し,2007年に第1版,2015年に第2版,2025年に第3版を公表した 2).この規程では,競技・種目に特化したエビデンスに基づくクラス分けの推進が強調されている.
パラカヌーは,Kayak(カヤック)とVa'a(ヴァー)という異なる種目から構成され,艇の構造,推進様式,座位安定性が競技結果に複合的に関与する.また,国際カヌー連盟(International Canoe Federation;ICF)が定めるクラス分け規則は,IPC Classification Codeに準拠し,体系化されている 3).本稿では,パラカヌーの競技特性と障害特性,クラス分けの構造について概説するとともに,筆者が日本パラカヌー連盟クラス分け委員長として携わってきた国内クラス分け支援の実際を通して,リハビリテーション専門職がパラスポーツ支援にかかわる意義を整理する.

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