知っておきたい! がんサポーティブケア
12.がん患者のアピアランス(外見)ケア
藤間 勝子
1
1国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター
キーワード:
がん
,
外見
,
支持療法
,
アピアランスケア
Keyword:
がん
,
外見
,
支持療法
,
アピアランスケア
pp.1499-1503
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034141499
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はじめに
がんやがん治療により,患者の体表には多様な可視的な変化が生じる 1).代表的な症状としては薬物療法や放射線療法による脱毛が挙げられる.さらに,皮膚・爪の障害,手術瘢痕,放射線治療後の色素沈着や線維化等も認められる.近年,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の普及に伴い,ざ瘡様皮疹,手足症候群,白斑等の新たな有害事象も出現し,これらへの対応が臨床上の課題となっている.
これらの症状は,治療終了後に可逆的なことも多いが,身体の欠損や小児がんの晩期合併症(例:低身長)等,不可逆的な変化も存在し,長期的なQOLや社会復帰に影響を及ぼす.
がん治療に伴う身体症状の苦痛に関する調査では,乳がん患者では外見関連症状が上位20項目のうち12項目を占め,嘔気・嘔吐や痛み,乳房の切除よりも脱毛の苦痛度が高いと報告 2)されている.また, がん医療従事者の93%が患者から外見変化に関する相談を受けた経験 3)を有しており,外見変化は臨床現場の重要課題である.

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