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はじめに
デジタルヘルスとは,デジタル技術を医療・健康・介護の分野に活用する取り組みの総称で,スマートフォンやスマートウォッチを用いた日常的な健康管理から,人工知能(AI)を活用した診断支援や治療まで,非常に幅広い領域を含みます.健康維持や疾病予防,行動変容の支援,さらには個別化医療の実現に向けて,デジタル技術は欠かせない存在となりつつあります.
こうした変化は,栄養領域においても例外ではありません.栄養管理や栄養食事指導の現場では,すでにさまざまな形でデジタル技術の実装が進んでいます.
その代表例の一つが,情報通信機器を用いた遠隔での栄養食事指導です.外来栄養食事指導は医療保険制度のもとでオンライン実施が可能となっており,制度改定にともなって活用の幅も広がっています.2024年度診療報酬改定では,初回の栄養食事指導を情報通信機器で実施した場合にも算定が可能となりました.さらに2026年度には,継続的な栄養管理を支援する観点から,別の月に実施するオンラインでのフォローアップやサポートに対して「追加的指導料」が新たに算定可能となっています.
また,スマートウォッチなどのウェアラブルデバイスや健康管理アプリも,私たちにとって身近なデジタルヘルスの例です.ウェアラブルデバイスでは,身体活動量や心拍数,睡眠状態などを継続的に把握することができます.健康管理アプリでは,歩数や食事内容,摂取エネルギーなどを記録できるものが広く利用されています.これらは観察,測定,記録を行う「モニタリング」の役割を担い,診療や研究,臨床試験に活用される機会も増えています.
さらに近年では,医療用AIによる診断支援が実臨床で利用されはじめているほか,医師が処方する治療用アプリ(デジタル治療:digital therapeutics,DTx)が医療現場に導入されるようになっています.デジタル技術は単なる記録や管理のツールに留まらず,診断や治療そのものを支える存在へと発展しているのです.

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