Japanese
English
特集 持続可能な医療制度に向けて――医療経済・政策学によるアプローチ
価値に基づく医療のためのリアルワールドデータ
Real world data for value-based health care
佐藤 壮
1
,
宮脇 敦士
2
So SATO
1
,
Atsushi MIYAWAKI
2
1東京大学大学院医学系研究科社会医学専攻臨床疫学・経済学
2筑波大学医学医療系社会医学研究グループ
キーワード:
低価値医療
,
無価値医療
,
過剰医療
,
医療の質
,
Choosing Wisely
Keyword:
低価値医療
,
無価値医療
,
過剰医療
,
医療の質
,
Choosing Wisely
pp.486-491
発行日 2026年8月15日
Published Date 2026/8/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298060486
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
本稿では,低価値医療の概念とその背景を整理し,わが国における最新の研究成果を概説するとともに,今後の展望を論じる.低価値医療とは,特定の状況下で患者にほとんど,またはまったく健康改善効果をもたらさず,潜在的に有害であり,医療資源を非効率に浪費する医療サービスを指す.診療報酬データを用いた全国規模の研究では,急性期病院を利用する患者のうち少なくとも約5%が何らかの低価値医療を受けており,無視できない問題であることがわかる.また,低価値医療による支出の大部分を安価かつ高頻度の医療サービスが占める実態が明らかとなった.このような課題に対し,敗血症に対するエンドトキシン吸着療法などを例に,質の高い観察研究による問題提起とランダム化比較試験(RCT)による検証という一連の研究過程の意義を論じる.有限な医療資源のもとで質の高い医療を持続的に提供するためには,医学界がプロフェッショナル・オートノミーに基づいて,既存の医療慣行や実臨床のエビデンスを再検証し続けることが不可欠である.

Copyright © 2026 Ishiyaku Publishers,Inc. All Rights Reserved.

