Japanese
English
特集 社会的ストレスに関わる神経系の制御
はじめに
Introduction
尾仲 達史
1
Tatsushi ONAKA
1
1自治医科大学医学部生理学講座神経脳生理学部門
pp.815-815
発行日 2026年2月28日
Published Date 2026/2/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296090815
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- Abstract 文献概要
人は社会的な動物である.それは集団でいることが進化の過程で生存に有利であったからである.困っている人がいれば相手の気持ちを理解し,何とか力になりたいと思う.さらに,相手の感情と意図を理解して協力する.集団でいることで互いに足りないところを補い合い,1人ではできなかったことが達成できる.また,怖がっている個体がいると自身も不安になる(情動伝染).これにより実際に身に危険が降りかかる前にあらかじめ危険に備えることができる.これと協力は,自身が属する集団の縄張りの防御に役立ち,さらに拡大という点でも有利となる.また,手のかかる子育てにおいても協力する(共同保育)ことは次世代の育成に役立つ.集団でいることで高揚したり,心が折れかかったりしたときに仲間がいることで慰められ,落ち着く(社会的緩衝)こともあろう.幼若期に優しく撫でられたり抱擁されたりするといった接触体験は,愛着を増強し絆形成を促す.
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