連載 ケースから学ぶ臨床倫理推論・26(最終回)
総論:臨床倫理の歴史と臨床倫理コンサルテーションの展開
新井 奈々
1
Nana ARAI
1
1東京大学医学部附属病院患者相談・臨床倫理センター
pp.523-527
発行日 2025年11月8日
Published Date 2025/11/8
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295060523
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
本連載「ケースから学ぶ臨床倫理推論」では,さまざまな臨床事例を通して,倫理的ジレンマにどのように向き合い,どのように考えるかを読者とともに探ってきた.現場の複雑な状況に対し,臨床倫理推論をいかに応用するかという視点から論じてきた本連載の締めくくりとして,今回は「臨床倫理」という営みの成り立ちと,それが現代医療においてどのように制度化されてきたかを振り返る.倫理的課題への取り組みは一朝一夕で成しうるものではなく,その背景には歴史的な議論と実践の積み重ねがある.これまで事例を通じて学んできた推論の土壌をより深く理解するために,臨床倫理の歩みと,臨床倫理コンサルテーション(Clinical Ethics Consultation:CEC)という支援の仕組みについて概観する.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.

