Japanese
English
連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望――臨床への展開・Vol.23
ヒトiPS細胞,キメラ技術,異種臓器を用いた次世代医療開発への挑戦
Challenges in developing next-generation medicine with human iPS cells, chimera technology and xenogeneic organs
山本 修太郎
1,2
,
山中 修一郎
1
,
横尾 隆
1
Shutaro YAMAMOTO
1,2
,
Shuichiro YAMANAKA
1
,
Takashi YOKOO
1
1東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科
2同泌尿器科
キーワード:
慢性腎臓病
,
異種移植
,
iPS細胞オルガノイド
,
異種再生医療
Keyword:
慢性腎臓病
,
異種移植
,
iPS細胞オルガノイド
,
異種再生医療
pp.1232-1238
発行日 2025年6月28日
Published Date 2025/6/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293131232
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SUMMARY
末期腎不全に対する臓器開発は,異種動物をドナーとした異種移植や,iPS細胞を用いた再生医療研究などが存在する.昨今,特に遺伝子編集技術の進歩により異種臓器の改良が活発に行われ,ついに患者へのブタ臓器移植も実施され,一定の機能を持つことが実証された.しかしながら,長期的な成果はまだ明らかではなく,強力な免疫抑制剤の併用による影響,人獣共通感染症の制御や防疫,さらには倫理的問題や法整備などの課題も残されている.一方,ヒトiPS細胞を用いたオルガノイド研究は,拒絶や病原性の問題は乗り越えやすいが,スケールアップが障壁である.そこで,これら2つの手法とは異なる手段として,キメラ技術による新たな異種再生医療が模索されている.筆者らは,ヒトiPS細胞由来の胚性前駆細胞を用いたキメラ臓器の構築に取り組み,慢性腎臓病の根本的治療法の開発を目指している.本稿では,これら移植用臓器開発の現状と課題について述べる.

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