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特集 巨大災害に備えるための災害医療――発災前の備え,発災直後の体制,発災後中長期的健康課題の解決
医学・公衆衛生学と災害
-――全体像と災害関連死の防止
Medicine, public health, and disasters
――The big picture and preventing disaster-related deaths
尾島 俊之
1
Toshiyuki OJIMA
1
1浜松医科大学医学部健康社会医学講座
キーワード:
公衆衛生学
,
災害
,
災害関連死
Keyword:
公衆衛生学
,
災害
,
災害関連死
pp.137-140
発行日 2025年1月11日
Published Date 2025/1/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292020137
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防災・災害対応の目指す成果は,国民・被災者の保護(生命,健康,生活,安心),自己決定の尊重,公平などであり,目指す実績は,被災者が必要な支援を受けられること,関係者間の連携などである.構造として,被災者・国民,避難所・医療機関・福祉施設など,市町村,保健所・地方振興局など,都道府県,国という階層があり,そして各種関係組織とともに対応する.災害対応のフェーズとして,平時,緊急対応,復旧・復興がある.災害対応の指揮調整は,情報収集,状況認識,意思決定,実施というOODA loop(ウーダループ)で進められる.災害対策本部会議や保健医療福祉調整本部会議などによって情報共有や意思決定が行われる.災害関連死の死因は災害によって若干異なるが,循環器疾患,呼吸器疾患などが多い.その防止として,良好なトイレ,食事,寝床,寒さ・暑さ対策,服薬の継続,感染対策,水分補給,適度な運動,規則正しい生活などが重要である.
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