Japanese
English
第1土曜特集 “かたちづくり” を制御する分子メカニズム
形態形成の理論と進化
フェレットを用いた大脳の形態形成と進化の研究
Investigation of the mechanisms underlying the development and evolution of the brain using gyrencephalic carnivore ferrets
河﨑 洋志
1
Hiroshi KAWASAKI
1
1金沢大学医学系脳神経医学研究分野
キーワード:
大脳
,
フェレット
,
脳回
,
発生
,
進化
Keyword:
大脳
,
フェレット
,
脳回
,
発生
,
進化
pp.89-92
発行日 2024年7月6日
Published Date 2024/7/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290010089
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ヒトに至る進化の歴史のなかで大脳は著しく発達してきた.大脳は巨大化するとともに多様な脳構築を獲得しており,これらの変化は高次脳機能の基盤となったと考えられている.しかし,発達した大脳の形成や進化,およびそれに関する疾患病態の分子メカニズムにはいまだに不明な点が多い.その理由として,分子生物学的研究に多く用いられているマウスの大脳は比較的小さく,マウスだけではこのような研究が困難である点があげられる.そこで筆者らは,ヒト大脳に類似した特徴のある食肉類哺乳動物フェレットの大脳に着目し,フェレット大脳での遺伝子操作技術を確立し,フェレットを用いて大脳の形成や進化の分子メカニズムを報告してきた.本稿では,フェレットを用いて明らかになってきた大脳の形成と進化に関する最近の研究成果を紹介したい.
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