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第1土曜特集 不整脈学の新潮流――基礎研究・医工連携からAIの社会実装まで
基礎研究
ヒト心房組織から心房リモデリングを考える
Insights into atrial remodeling based on human atrial tissue
山口 尊則
1
Takanori YAMAGUCHI
1
1佐賀大学医学部循環器内科
キーワード:
心房細動
,
心房心筋症
,
心房生検
,
心房リモデリング
,
線維化
Keyword:
心房細動
,
心房心筋症
,
心房生検
,
心房リモデリング
,
線維化
pp.18-23
発行日 2024年4月6日
Published Date 2024/4/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2890118
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心房リモデリングは心房のあらゆる電気的,機能的,構造的変化を意味する.心房リモデリングの進行に伴い,臨床的には心房拡大や心房細動,心原性塞栓症,心不全の発症などと関連する.これまで心房検体の採取が困難であったことから,心房リモデリングの組織学的背景の解明は不十分であった.筆者らはカテーテルによる心房生検の手法を開発し,心房細動症例の組織学的評価を行った.従来は線維化が主要な組織学的変化と考えられてきたが,線維化以外にも線維化に先行する心筋細胞間隙の増大,心筋粗鬆化,心筋細胞核密度(細胞数の指標)の減少とそれに伴う心筋肥大が主要な組織学的変化であった.電子顕微鏡検査により,細胞間隙の増大は血管透過性亢進に伴う血漿成分の漏出であることも明らかになった.また,4%の症例にアミロイドの沈着を認めた.心房筋の組織学的評価により心房リモデリングの機序解明と新たな治療標的の開発が期待できる.
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