Japanese
English
特集 美容医療の現状における問題点と解決への取り組み
美容医療に関する厚生労働科学研究事業(美容医療合併症実態調査と診療指針作成)の経緯と意義
Health, Labor and Welfare Scientific Research on Aesthetic Medicine
――Complication survey and clinical guidelines
大慈弥 裕之
1
Hiroyuki OHJIMI
1
1北里大学医学部 形成外科・美容外科学,NPO法人自由が丘アカデミー
キーワード:
美容医療
,
美容外科
,
美容皮膚科
,
厚生労働科学研究事業
,
診療指針
Keyword:
美容医療
,
美容外科
,
美容皮膚科
,
厚生労働科学研究事業
,
診療指針
pp.1003-1007
発行日 2023年9月23日
Published Date 2023/9/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu286131003
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
非外科的治療の発展に伴い,美容医療はわが国でも増加の一途にある.一方で,美容医療に伴う有害事象の発生や金銭トラブルなどの問題も続いている.日本の場合,自費診療として行われている美容医療において,国内未承認の医薬品や材料,医療機器が数多く使用されていることが,ひとつの背景要因としてあげられる.加えて,美容医療を提供する医師の質管理の課題がある.これには標準的治療の整備と周知,医療倫理や医療安全管理を含めた専門医教育,公的専門医制度などの整備が含まれる.2019年度にはじまった美容医療に関する厚生労働科学研究事業では,美容医療に関する主要な5学会〔日本美容外科学会(JSAPS),日本美容外科学会(JSAS),日本美容皮膚科学会(JSAD),日本形成外科学会(JSPRS),日本皮膚科学会(JDA)〕が合同で,全国美容医療合併症実態調査と美容医療に関する診療指針の作成および美容医療における医療安全管理体制の検討を行っている.診療指針は,美容医療治療の基本的方針を診療科や学会の枠を超えて統一化することを目的とした.本指針は公表され,今後は周知が課題である.関連学会と社会が指針を共有することで,安全性と有効性の高い美容医療が提供できるようになり,美容医療の水準向上につながる.本稿では,わが国における美容医療問題の課題と健全化にむけた学会の取り組み,および美容医療に関する厚生労働科学研究事業の経緯と意義について解説した.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.