Japanese
English
連載 救急で出会ったこんな症例――マイナーエマージェンシー対応のススメ・Vol.16
胸骨骨折:保存治療後偽関節
Sternum fracture:pseudoarticular after conservative treatment
檜山 秀平
1
,
松村 福広
2
Shuhei HIYAMA
1
,
Tomohiro MATSUMURA
2
1自治医科大学整形外科学教室
2自治医科大学救急医学教室
キーワード:
胸骨骨折
,
保存治療
,
手術治療
,
偽関節
Keyword:
胸骨骨折
,
保存治療
,
手術治療
,
偽関節
pp.731-736
発行日 2023年8月26日
Published Date 2023/8/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28609731
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
◎胸骨骨折は,交通外傷や転落などによって生じる骨折である.前胸部に強い痛みと息苦しさなどを伴うことが多く,肋骨骨折なども合併しやすい.強い痛みにより深呼吸や咳嗽ができないために,肺炎を生じることもある.診断には単純X線写真側面像が有用だが,肋骨骨折などの合併損傷を見逃さないためにはCT検査も有用となる.ほとんどの症例で保存治療が選択されるが,合併損傷や転位などにより手術療法が必要になる場合や,骨癒合が得られず偽関節になることで疼痛や呼吸機能低下などが遷延することもある.まずは本骨折の治療として合併損傷を見逃さないこと,そして,十分な鎮痛薬の処方と疼痛に応じた外固定の検討で肺炎などを予防する治療が重要となる.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.