Japanese
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連載 医療システムの質・効率・公正――医療経済学の新たな展開・Vol.6
インフォーマルケアと医療・介護の自己負担
Informal care and personal burden for healthcare and long-term care costs
中部 貴央
1
Takayo NAKABE
1
1東京大学医学部附属病院国立大学病院データベースセンター
キーワード:
インフォーマルケア
,
認知症介護
,
社会的コスト
,
自己負担
Keyword:
インフォーマルケア
,
認知症介護
,
社会的コスト
,
自己負担
pp.292-297
発行日 2023年7月22日
Published Date 2023/7/22
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28604292
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Summary
超高齢社会の進展に伴い,要介護高齢者,特に認知症の人が増加し,そのケアの供給は社会的課題である.認知症ケアは,医療・介護保険サービスによるフォーマルケア,介護保険外サービス,主に家族介護者によって担われるインフォーマルケアによって成り立つ.特に認知症ケアでは,このインフォーマルケアが大半を占め,その経済的負担においてインフォーマルケアコストを加味することが重要である.医療・介護資源や財源が限られるなかで,認知症ケアの経済的負担について,社会的コストの推計に限らず,自己負担額など個人的視点からの負担を可視化することは,認知症ケアにかかる制度設計の土台となる.社会的視点および個人的視点双方からの検討をもって,地域内におけるフォーマルケアとインフォーマルケア,施設ケアと在宅ケア,社会的コストと個人の自己負担額のバランスを多角的に考慮することが非常に重要である.
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