Japanese
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第5土曜特集 mRNAワクチンやゲノム編集で注目が集まる遺伝子治療
遺伝子治療技術を用いた疾患治療
遺伝子導入技術が切り拓いた感染症ワクチンの新時代
Vaccines for infectious diseases based on gene delivery technologies
平井 敏郎
1,2
,
吉岡 靖雄
1,2,3,4,5,6
Toshiro HIRAI
1,2
,
Yasuo YOSHIOKA
1,2,3,4,5,6
1大阪大学先導的学際研究機構・微生物病研究所BIKEN次世代ワクチン協働研究所ワクチン創成グループ
2同大学院薬学研究科創薬ナノデザイン学分野
3同感染症総合教育研究拠点
4同国際医工情報センター
5同ワクチン開発拠点先端モダリティ・DDS研究センター
6一般財団法人阪大微生物病研究会
キーワード:
弱毒生ワクチン
,
不活化ワクチン
,
mRNAワクチン
,
アデノウイルスベクターワクチン
Keyword:
弱毒生ワクチン
,
不活化ワクチン
,
mRNAワクチン
,
アデノウイルスベクターワクチン
pp.481-486
発行日 2023年4月29日
Published Date 2023/4/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28505481
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを経て,メッセンジャーRNA(mRNA)やアデノウイルスベクターといった遺伝子導入技術を用いるワクチンが急速に世に広まった.これらは,従来の常識をはるかに上回る速度でワクチン開発が可能であることを示したのみならず,既存のワクチンと比較してきわめて高い有効性を発揮している.一方で,比較的多くの副反応事例が生じていることも事実であり,高い有効性との関連も疑われる.本稿では,mRNAワクチン,アデノウイルスベクターワクチンそれぞれの有効性や安全性に関わる機序に関して,最新の知見を紹介したい.また,粘膜ワクチンとしての応用や,有効性・安全性の向上に向けた改善点,および今後の展望を議論し,ワクチン開発における技術革新のさらなる発展を期待したい.
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