Japanese
English
特集 頻尿に潜む病態を見破る
前立腺肥大症による男性下部尿路症状
Male lower urinary tract symptoms with benign prostatic hyperplasia
松岡 香菜子
1
,
秦 淳也
1
,
小島 祥敬
1
Kanako MATSUOKA
1
,
Junya HATA
1
,
Yoshiyuki KOJIMA
1
1福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座
キーワード:
下部尿路症状(LUTS)
,
前立腺肥大症(BPH)
,
前立腺腫大
,
病態
,
治療
Keyword:
下部尿路症状(LUTS)
,
前立腺肥大症(BPH)
,
前立腺腫大
,
病態
,
治療
pp.188-192
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28503188
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頻尿は非常にありふれた症状であるが,その原因はさまざまである.本稿では中高年の男性に生じる頻尿の要因で最も頻度が高い前立腺肥大症(BPH)について概説する.BPHは単に前立腺体積が大きいことを指すのではなく,組織学的な変化や膀胱出口部の閉塞によって頻尿などの下部尿路症状(LUTS)を生じる疾患である.前立腺は加齢とともに腫大するが,そのメカニズムについてはさまざまな因子の関与が報告されている.BPHでは十分な排尿ができないことにより,実質的な膀胱容量が低下するという機序だけでなく,長期の閉塞により膀胱の虚血再灌流などが生じることで膀胱が過敏となり(過活動膀胱)頻尿が生じるという特徴がある.そのため,患者の症状により強く影響している要因を判断し,治療方法を選択する必要がある.BPHを伴う頻尿の治療は,過活動膀胱に対する治療だけでは尿閉などの有害事象のリスクが生じるため,閉塞に対する治療と併用することが大切である.
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