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第1土曜特集 HIVの発見から40年――医学はどう戦ったか,これからどう戦うのか
HIV感染予防の新展開
HIV検査システムの構築と拡充・郵送検査
Development and scale-up of HIV testing services including mail delivery
髙野 操
1
,
岡 慎一
1
Misao TAKANO
1
,
Shinichi OKA
1
1国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター
キーワード:
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)検査
,
郵送検査
,
self-test
,
性感染症検査
Keyword:
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)検査
,
郵送検査
,
self-test
,
性感染症検査
pp.747-752
発行日 2023年3月4日
Published Date 2023/3/4
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28409747
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自発的なヒト免疫不全ウイルス(HIV)検査は,保健所を中心とした無料・匿名の検査として整備されてきた.しかし,2009年には新型インフルエンザの流行によるHIV検査の縮小があり,2020年以降は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によってHIV検査が大幅に制限された.現在においてもその機能は回復していない.一方,有料であるが,民間クリニックでのHIV検査や,自己採取した検体を郵送検査会社に送付する,いわゆる郵送検査は利用者が年々増加しており,COVID-19流行下においても大きな影響を受けなかった.保健所検査に依存しない検査体制の拡充が必要である.HIV検査の最終目標は,未診断のHIV感染者を治療に結びつけることにあり,そこに焦点をあてたHIV検査の環境整備と対策の強化が重要である.感染リスクを感じている人が,いつでも検査を受けられる環境を整備すること(郵送検査やself-test),HIV感染のリスクと関連するエピソードがあった場合の検査のルーチン化(医療機関での検査),感染リスクがある人への直接的なアプローチの強化が重要である.
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